医療・健康

野菜350gの内訳に、緑黄色野菜120gという数字があること

野菜は1日350g。
どこかで見たことのある数字だと思います。

そのうち緑黄色野菜は120g。
こちらまで言える方は、ぐっと減ります。

保育園の給食室に22年いました、河合美和と申します。
いまは市の子育て支援センターで、離乳食や幼児食の相談を受けています。

去年この120gの出どころを調べたら、思っていたのと違う場所から出てきました。

350gと120gは、もともと別々の目標でした

厚生労働省の健康日本21(栄養・食生活)に、目標値の原文が残っています。
基準値は平成9年の国民栄養調査です。

並んでいるのは、この2本でした。

  • 成人1日あたりの野菜の平均摂取量の増加。目標値350g以上(基準値292g)
  • カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の平均摂取量の増加。目標値は牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上

読み返して、あれ、と声が出ました。
120gは、350gの内訳として置かれた数字ではありません。
牛乳や豆と並ぶ、カルシウムのための目標です。

野菜350gのほうは、カリウムや食物繊維、抗酸化ビタミンを満たすために出てきた数字です。
目的の違う2つが足し算と引き算でつながって、「350gのうち120gが緑黄色野菜、残りの230gがその他の野菜」という言い方になったのだと思います。
230gという数字は、原文のどこにも出てきません。

現行の健康日本21(第三次)が追いかけているのも、野菜全体の350gだけです。

いま足りていないのは、だいたい40gです

では実際はどうか。
厚生労働省の令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要に、20歳以上の平均値が出ています。

区分1日あたりの摂取量
野菜全体258.7g
うち緑黄色野菜80.2g
うちその他の野菜178.6g

野菜全体では、350gまで90gほど足りません。
緑黄色野菜だけを見ると、120gに対して80.2g。差は40gです。

90gを埋めろと言われるとしんどいのですが、40gなら景色が違います。
にんじんなら3〜4切れ、ミニトマトなら4個ほど。
汁物の具をひとつ足すだけで届いてしまう量です。

色が濃ければ緑黄色野菜、ではありません

引っかかるのは、どれが緑黄色野菜なのか、です。

厚生労働省のe-ヘルスネットにある緑黄色野菜の解説では、可食部100gあたりのβ-カロテン当量が600μg以上のものを緑黄色野菜としています。
600μgに届かなくても、食べる回数や量が多いトマトやピーマンは、緑黄色野菜として扱われます。

文部科学省の日本食品標準成分表で見ると、生のにんじんは皮つきで8,600μg、トマトは540μgです。

見た目が濃くても、きゅうりやなす、レタスは入りません。
相談の場で「うちの子、野菜は食べてます」と言われて、聞いたらきゅうりとレタスだった。
よくある話です。

その40gを、どこで足すか

給食では1食ごとに野菜の重量を計算します。
家庭で同じことをするのは無理です。私もやっていません。

代わりにうちで続いたのは、このあたりでした。

  • 味噌汁に、にんじんかほうれん草をかならず一種類入れる
  • 冷凍のブロッコリーとかぼちゃを常備して、あと一色ほしい日に出す
  • 炒め物のピーマンを赤に変える(青より色も出て、β-カロテンも多いです)

それでも足りない週はあります。外食が続いたときや、疲れて台所に立てなかった日です。

そんな日は、青汁のような手軽なものを併用している方も多いですね。
飲めば野菜を食べなくていい、という話ではなく、足りない40gを拾う先が一つ増える、くらいの位置づけです。

β-カロテン以外に何が入っているかは、緑黄色野菜の栄養成分をまとめたページが詳しいです。

まとめ

緑黄色野菜120gは、350gの内訳ではなく、カルシウムのために立てられた別の目標でした。
実際の摂取量は80.2gで、差は40gほどです。

出どころを知ってから、私は120gをきっちり追いかけるのをやめました。
そのかわり、鍋にもう一色だけ足す。
22年やってきて、家で続くのはそのくらいの手加減だと思っています。