生活

ベランダの荷物はどうする?大規模修繕中に居住者がやるべき準備とは

「大規模修繕工事のため、ベランダの私物はすべて撤去してください」

ある日、マンションの掲示板やポストに投函される一枚のお知らせ。
「うちのベランダ、物がいっぱいあるけど、全部どこに移動すればいいの?」「そもそも、なんで片付けないといけないの?」
初めて大規模修繕を経験する方にとって、ベランダの荷物の問題は大きな悩みの種ではないでしょうか。

マンションの資産価値を維持し、安全で快適な暮らしを守るために不可欠な大規模修繕。
しかし、その期間中はベランダの使用が制限されるなど、居住者の生活にも少なからず影響が出ます。
特にベランダは、ガーデニング用品や収納ボックス、お子様のおもちゃなど、多くの物が置かれがちなスペースです。
事前の準備を怠ると、「工事が進められない」「大切なものが汚れたり壊れたりした」といったトラブルの原因にもなりかねません。

この記事では、大規模修繕を控えたマンション居住者の皆さまが抱える「ベランダの荷物」に関する疑問や不安を解消するため、やるべき準備を網羅的に解説します。
いつまでに、何を、どこへ移動すればいいのか。
そして、荷物の片付け以外に気をつけるべきことは何か。
この記事を読めば、大規模修繕に向けた具体的な準備が分かり、安心して工事期間を迎えることができます。
計画的に準備を進め、スムーズでストレスの少ない大規模修繕を実現しましょう。

目次

なぜ大規模修繕でベランダの荷物を片付ける必要があるの?

「少しぐらいなら大丈夫だろう」と軽く考えてしまいがちですが、ベランダの荷物撤去は大規模修繕を円滑に進める上で非常に重要です。
その理由は、大きく分けて3つあります。

工事の安全確保のため

ベランダは、外壁や手すり、床などの修繕工事を行うための重要な「作業スペース」となります。
作業員は足場を伝ってベランダに入り、様々な工具や材料を使って作業を行います。

もしベランダに物が多く置かれていると、作業員の動線が妨げられ、足元が不安定になります。
つまずいて転倒したり、物を落としてしまったりするリスクが高まり、重大な事故につながる危険性があります。
居住者と作業員双方の安全を守るために、ベランダを何もない状態にしておくことが絶対条件なのです。

作業効率の向上のため

ベランダでは、外壁のひび割れ補修、塗装、床の防水工事など、多岐にわたる作業が行われます。
荷物が残っていると、それを一つひとつ移動させながら作業を進めなければならず、大幅な時間のロスにつながります。

作業がスムーズに進まなければ、工期全体が遅れてしまう可能性も出てきます。
マンション全体の工事を計画通りに完了させるためにも、各戸の協力が不可欠なのです。

荷物の汚損・破損を防ぐため

工事中は、高圧洗浄の水しぶきや、塗装作業での塗料、補修作業でのホコリなどが飛散します。
大切な植木やガーデニング用品、収納ボックスなどを置いたままにしておくと、汚れたり、塗料が付着してしまったりする可能性があります。

また、作業員が誤って物を倒してしまい、破損させてしまうリスクもゼロではありません。
施工会社は養生(シートで覆うなどして保護すること)を行いますが、万全とは言えません。
ご自身の資産である大切な私物を守るためにも、事前に安全な場所へ移動させることが最も確実な方法です。

【いつから?】大規模修繕の準備スケジュールと片付けのタイミング

「いつまでに片付ければいいの?」という疑問は、多くの方が抱くことでしょう。
大規模修繕は、ある日突然始まるわけではありません。
通常、数ヶ月前から計画的に進められます。
一般的なスケジュールを把握し、余裕を持って準備を始めましょう。

時期主なイベント居住者がやるべきこと
工事開始の2〜3ヶ月前工事説明会・工事の全体像、スケジュール、注意事項を把握する
・ベランダの荷物整理計画を立て始める
工事開始の1ヶ月前事前アンケート・室内調査・ベランダの状況や懸念点を伝える
・不要品の処分(断捨離)を開始する
工事開始の1〜2週間前足場組立開始・荷物の移動先(室内、トランクルーム等)を確保する
・本格的な荷物の移動を開始する
ベランダ工事の直前高圧洗浄のお知らせ【片付けの最終デッドライン】
・すべての荷物をベランダから撤去する

工事説明会~事前調査:情報収集と計画の開始

工事が始まる数ヶ月前には、管理組合や施工会社による工事説明会が開催されます。
ここでは、工事の全体スケジュールや作業内容、ベランダ使用の制限期間など、重要な情報が説明されます。
必ず参加して、内容を正確に把握しましょう。

この段階で、ご自身のベランダにどれくらいの物があるかを確認し、「何をどこに移動させるか」「何を処分するか」といった片付けの計画を立て始めるとスムーズです。

足場組立~高圧洗浄前:片付けのデッドライン

実際にベランダでの作業が始まるのは、マンション全体に足場が組まれ、外壁などを水洗いする「高圧洗浄」の工程からです。
この高圧洗浄が始まる前が、荷物撤去の最終的なデッドラインとなります。

高圧洗浄では、強力な水圧で外壁や床の汚れを洗い流すため、水しぶきが激しく飛び散ります。
この時点で物が残っていると、水浸しになったり、汚れたりする可能性が非常に高くなります。
施工会社から「◯月◯日までに片付けてください」という具体的な指示がありますので、必ずその期限を守りましょう。

工事完了~足場解体:ベランダ利用再開へ

ご自身の住戸のベランダ工事が完了しても、すぐにベランダが使えるわけではありません。
マンション全体の工事が完了し、足場が解体されてから、ようやく原状回復となります。
施工会社からの完了通知や検査の案内を待ち、指示に従って荷物をベランダに戻しましょう。

ベランダの荷物、具体的に何をどうする?【完全ガイド】

それでは、具体的に何をどのように片付ければよいのでしょうか。
移動が必要なものから、その移動先の選択肢まで、詳しく解説します。

基本は「すべて撤去」!移動が必要なものリスト

大規模修繕において、ベランダの荷物は「エアコンの室外機以外、すべて撤去する」のが基本原則です。
一見、作業の邪魔にならなそうな小さな物でも、安全や作業効率の観点から移動が求められます。

【移動・撤去が必要なものの例】

  • 植物・ガーデニング用品: 植木鉢、プランター、土、肥料、ジョウロ、棚など
  • 物干し用品: 物干し台、物干し竿(竿受けは残す場合が多い)
  • 床材: ウッドデッキ、タイル、人工芝など
  • 収納用品: 物置、収納ボックス、コンテナ
  • 趣味・レジャー用品: 子どものおもちゃ(プールなど)、アウトドアグッズ、DIY工具
  • その他: サンダル、ほうき・ちりとり、ゴミ箱、パラソルなど
  • アンテナ: 個人で設置したBS/CSアンテナ(要確認)

「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。
判断に迷うものがあれば、必ず管理組合や施工会社に確認しましょう。

荷物の移動先はどうする?4つの選択肢

ベランダの荷物をすべて室内に移動させるのは、スペース的に難しい場合も多いでしょう。
その場合は、以下のような選択肢が考えられます。

1. 室内で保管する

最も手軽で費用がかからない方法です。
リビングの隅や普段使わない部屋にスペースを確保して移動させます。
ただし、室内が狭くなったり、土や汚れが気になったりするデメリットもあります。
床が傷つかないように、ブルーシートや段ボールを敷くなどの工夫をしましょう。

2. トランクルーム・レンタル収納スペースを利用する

室内に十分なスペースがない場合に最もおすすめなのが、トランクルームの利用です。
数ヶ月単位の短期契約が可能なサービスも多く、大規模修繕の期間中だけ荷物を預けることができます。

トランクルーム利用のメリット

  • 室内の居住スペースを圧迫しない
  • ガーデニング用品など、室内に持ち込みたくない物も保管できる
  • セキュリティがしっかりしている場所を選べば安心

費用はかかりますが、工事期間中の生活の質を維持するためには非常に有効な選択肢です。
料金は広さや立地、屋内型か屋外型かによって異なりますが、月額数千円から利用できる場合が多いです。
工事のスケジュールが分かったら、早めに近隣のトランクルームを探し始めましょう。

3. 親族・友人宅に預ける

近くに頼れる親族や友人がいる場合は、一時的に預かってもらうのも一つの手です。
ただし、相手の負担にならないよう、荷物の量や期間を事前にしっかり伝え、相談することが大切です。

4. これを機に処分する(断捨離)

大規模修繕は、ベランダの不用品を見直す絶好の機会です。
「何年も使っていない」「傷みが激しい」といった物は、思い切って処分することを検討しましょう。
粗大ゴミの収集は申し込みから時間がかかる場合があるため、自治体のルールを確認し、計画的に進めることが重要です。

【要注意】エアコンの室外機の取り扱い

原則としてすべて撤去が必要なベランダの荷物ですが、エアコンの室外機は例外的にそのままで良いケースがほとんどです。
作業員が必要に応じて少し移動させたり、養生したりしながら工事を進めてくれます。

ただし、以下のようなケースでは特別な対応が必要になる場合があります。

  • 室外機の設置方法が特殊な場合: 天吊り型や壁掛け型、二段置きなどで、配管の長さ(遊び)が足りず移動が困難な場合。
  • 防水工事の仕様による場合: 床面の防水層を全面的にやり直す工事では、一時的な取り外しが必要になることも。

これらの判断は専門知識を要するため、自己判断は絶対にしないでください。
工事説明会や事前調査の際に、施工会社から室外機の取り扱いについて説明があります。
もし移動や取り外しが必要になった場合、その費用が自己負担になるかどうかも含めて、必ず確認しましょう。

忘れがち?網戸の取り外しも必要

意外と見落としがちなのが「網戸」です。
窓サッシ周りのシーリング(ゴム状の防水材)を打ち替える工事などの際に、網戸が作業の邪魔になるため、取り外して室内で保管するよう指示されることが一般的です。

通常、保管用の大きなビニール袋が配布されます。
普段あまり外すことのないものなので、外し方が分からない場合は無理をせず、施工会社に尋ねましょう。

ベランダ片付け以外の重要準備リスト

大規模修繕期間中の生活への影響は、ベランダの荷物問題だけではありません。
以下の点についても事前に準備しておくことで、より安心して過ごすことができます。

洗濯物の干し場所を確保する

工事期間中、特に塗装や防水工事が行われている間は、ベランダに洗濯物を干すことができなくなります。
塗料の臭いがついたり、ホコリで汚れたりする可能性があるためです。
工事のお知らせをこまめに確認し、洗濯物を干せない期間を把握しておきましょう。

【洗濯物対策の例】

  • 室内干し: サーキュレーターや除湿機を活用すると効率的に乾かせます。
  • 浴室乾燥機: 備え付けられている場合は積極的に活用しましょう。
  • コインランドリー: シーツなどの大きな洗濯物は、コインランドリーの大型乾燥機を利用するのが便利です。

防犯対策を強化する

工事期間中は、マンションの周りに足場が組まれ、シートで覆われます。
これは、外部からの侵入が容易になることを意味し、特に高層階であっても空き巣などのリスクが高まります。

施工会社も、足場の入り口に施錠付きの扉を設置したり、防犯カメラやセンサーライトを設置したりといった対策を行いますが、各戸での防犯意識も非常に重要です。

【個人でできる防犯対策】

  • 窓の施錠を徹底する: 短時間の外出でも必ず鍵をかける習慣をつけましょう。
  • 補助錠を取り付ける: 主錠に加えて補助錠を設置すると、防犯性が格段に高まります。
  • 窓を開けたままにしない: 在宅中であっても、工事中の窓の開放は最低限にしましょう。

騒音・臭い対策を準備する

工事中は、ドリルやハンマーの音、作業員の話し声など、様々な騒音が発生します。
また、塗装工事の際にはシンナーなどの臭いが室内に入ってくることもあります。

在宅勤務をされている方や、小さなお子様・ペットがいるご家庭では、特に影響が大きくなる可能性があります。
耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンを用意したり、日中は図書館やカフェで過ごしたりするなど、心づもりと対策をしておくとストレスを軽減できます。

工事期間中のスケジュールをこまめに確認する

大規模修繕中は、エントランスの掲示板や各戸への配布物で、日々の作業内容や注意事項(「明日は〇〇の作業のため、窓を閉めてください」など)が告知されます。
これらの情報をこまめにチェックする習慣をつけましょう。
自分の生活にどのような影響があるかを事前に把握しておくことが、トラブルを避ける上で最も重要です。

大規模修繕のベランダに関するよくある質問(Q&A)

最後に、大規模修繕のベランダに関して多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

Q. 荷物を片付けなかったらどうなる?

A. 工事の遅延や事故の原因となります。
もし期限までに荷物が片付けられていない場合、その部屋のベランダ工事だけが後回しになり、全体の工期に影響を与えてしまう可能性があります。
また、万が一、残置物が原因で作業員が怪我をした場合、責任問題に発展するケースも考えられます。
最悪の場合、施工会社によって荷物が移動され、その費用を請求されることもあります。必ず期限内に片付けましょう。

Q. 荷物の移動費用は自己負担?

A. 原則として自己負担です。
ベランダは「専用使用権が認められた共用部分」であり、そこに私物を置いているのは居住者の都合と見なされます。
そのため、荷物の移動や処分、トランクルームのレンタルなどにかかる費用は、基本的に居住者の自己負担となります。
ただし、エアコン室外機の取り外しなど、工事の都合で専門業者による作業が必要になった場合の費用負担については、管理規約や工事の契約内容によって異なるため、管理組合に確認が必要です。

Q. BS/CSアンテナはどうすればいい?

A. 管理組合や施工会社への確認が必要です。
個人でベランダの手すりなどに設置しているBS/CSアンテナは、手すりの塗装工事などの際に取り外す必要があります。
アンテナの取り外し・再設置には専門的な作業が必要な場合があるため、勝手に判断せず、まずは管理組合や施工会社にどうすればよいか相談しましょう。

Q. 工事中にベランダに出てもいい?

A. 原則として禁止です。
工事期間中、ベランダは作業員が作業を行うための「工事現場」です。
安全上の理由から、居住者の立ち入りは原則として禁止されます。
緊急の場合などを除き、無断でベランダに出ることは絶対にやめましょう。

ここまで居住者の皆様ができる準備について解説してきましたが、大規模修繕の成功は、工事を担当する施工会社の質にも大きく左右されます。特に、大規模修繕を専門に行う株式会社T.D.Sのように、居住者への丁寧な説明や安全管理を徹底している会社は信頼性が高いと言えるでしょう。

こうした株式会社T.D.Sのような、居住者への配慮が行き届いた施工会社を管理組合が選定しているかどうかも、安心して工事期間を過ごすための重要なポイントになります。

まとめ:計画的な準備で、ストレスの少ない大規模修繕期間を

マンションの大規模修繕は、およそ12年~15年に一度のサイクルで行われる、建物の健康診断のようなものです。
工事期間中は、ベランダの荷物移動をはじめ、騒音や洗濯物の問題など、普段の生活とは異なる不便さを感じる場面も少なくありません。

しかし、なぜ準備が必要なのかを正しく理解し、スケジュールを把握して計画的に行動すれば、トラブルやストレスは大幅に軽減できます。

【大規模修繕の準備 3つのポイント】

  1. 早めに計画を立てる: 工事説明会で情報を収集し、荷物の移動先や処分方法を検討し始める。
  2. 期限を厳守する: 高圧洗浄が始まる前までに、ベランダの荷物を完全に撤去する。
  3. 情報をこまめに確認する: 掲示板や配布物に目を通し、日々の工事内容と注意事項を把握する。

大規模修繕は、皆さまの大切な資産であるマンションの価値を守り、未来の快適な暮らしへとつなげるための重要なプロジェクトです。
居住者一人ひとりの協力が、工事の成功に不可欠です。
この記事を参考に、万全の準備で大規模修繕期間を乗り切ってください。